55634|中小企業のブランディング

【ブランドストーリー】永田木材

ブランドストーリー

静岡県浜松市の北部、引佐町にある永田木材さん。地元・浜松の天竜産の杉や桧を天然乾燥により丁寧に製材する製材会社です。樹齢100年近い丸太がゴロリと天然乾燥されている状況は、なかなか見ることができない光景。1本の丸太を無駄なく使うために、木目や色を見ながら材をとる「木配り」にこだわり、設計士や建築士の方からも好評を得ています。

天然乾燥、木配りといった、もともと独自性が高く自社の強みもはっきりしていながら、それを伝えることがうまくできない。そんな状況でブランディングのご相談をいただいたのが、数年前。ロゴマークやパンフレット、動画、ホームページなど、年々、少しずつ情報発信の統一感を整え、ブランディングを進めてきました。

木を使い、山を守る。森林循環を伝えたい

永田木材さんは、建築士の方々にこだわりの建材を提供されているだけでなく、家具や雑貨をはじめ、木の可能性が広がることに積極的。その一方で、木を使うことで山を守る、という考え方を大切にされています。

静岡県浜松市の天竜は「日本三大人工美林」に数えられるほど、人工林が広がる地域。その森林資源を後世にもつなげていくために、森林循環を意識することが非常に重要と語られていました。

ただ、こうした概念は「木を使い、山を守る」と言っても、具体的なイメージが湧かないものです。そこで、森林循環サイクルのイラストをデザインに。イラストによって、木を使うことが森林にどのような好循環を生むのかを、理解することができるようにパンフレットを構成しました。

セミナールームで木の空間を体感してもらう

口で言ってもなかなか伝わりきらないことも、体験を通せばすぐに伝わる。そうした「場」が必要と、2016年にセミナールームを開設。部屋に入った瞬間に、木の魅力に圧倒されるような空間づくりによって、永田木材さんを訪問した人に、木の空間を体感してもらえるようになりました。

「この空間で森林循環のことを知ってもらいたい」との要望で、セミナールーム竣工の同時期に『森林循環ムービー』を製作しました。前半は、いま日本の森がかかえている課題や現状。後半は、木を使い森林循環を促すことの必要性。動画の構成から映像の撮影、ナレーションの台詞(セリフ)まで、全体を通して監修をしました。2分弱の短めの動画ですが、臨場感ある映像で、山をすこやかな状態に保つために「木を使うことが大切である」ことを、知ってもらうことができると思います。

リアルな場に連動してWEBでも伝える

2016年に新事務所兼セミナールームが竣工したのを皮切りに、永田木材さんではワークショップやマルシェイベントが開催されるようになりました。永田木材さんの「地域資源の循環」や「地域社会への想い」が、ひとつひとつ形になっていった年。

このタイミングで、ホームページのデザインもリニューアルしました。新しいホームページでは、そんな永田木材さんの考え方や取り組みをしっかりと打ち出すことが、最大の目標。リアルの場だけでなく、WEBでも広く伝えていくための施策です。

これまで載せてこなかった「納品実績」や「商品紹介」も掲載することで、設計士や建築士などの専門家が見ても分かりやすいWEBサイトを目指しました。スマートフォンにも、もちろん対応しています。

パンフレット、セミナールーム、動画、ホームページと「伝え方」を増やしつつ、デザインの統一感を持たせて、大切なことを伝えていく。こうしてブランディングを続けていくことで、永田木材さんのことを知り、仕事の依頼につながったり、多方面から声がかかったり、新しい出会いにつながっていくのです。この地道な作業の継続こそが、最もブランディングの近道だと感じています。

2019年2月記載。つづく。