55634|中小企業のブランディング

【ブランドストーリー】明石くるまサポート

ブランドストーリー

「明石石油ならではの強みや良さを打ち出したい」と語るのは、明石石油代表・明石真さん。

明治33年(1900年)の創業以来、一貫して地域産業と暮らしを支えるエネルギーを、安定供給し続けてきた明石石油。明石石油の事業のひとつ〈明石くるまサポート〉は、「いつも安心、ずっと支える」をコンセプトに、車検をはじめ、より快適なカーライフを送ってもらえるようトータルでのカーケアサービスを提供しています。

以前から同じ事業を営まれていましたが、2016年に店舗移転に伴い、ブランディングに取り組みました。店舗名のネーミングやロゴマークを一新し、歴史ある企業が手がける新ブランドとしてリニューアルしたストーリーをお伝えします。

ブランドとしての「進化」のはじまり

明石くるまサポートの前身である「車検革命・カーケアセンター明石」から、ネーミングを変えようと考えたのは、2016年7月。1996年に車検事業をはじめ、地域の方々に認知されつつあった事業開始から20年目のときでした。そんなとき、明石社長が出会ったのが当社代表の外山でした。

「歴史ある企業であればあるほど、ネーミングやロゴを変えることは難しくなる。しかし、歴史に気負うことなく攻めの一手も必要。前向きに変化する姿勢の大切さ、明石石油ならではの強みを打ち出す重要性」を、外山は明石社長に伝えました。そして、サービス設計から店舗名のネーミング、コンセプト、スローガン、ロゴマークまで、ブランディングの核となる部分を定め、新しいブランドを構築する取り組みがはじまりました。

愛車の『かかりつけ医』に

特に気を配りながら考案したのが、店舗のネーミング。ネーミングは言葉だけでなく、響きや字面も重要です。「明石くるまサポート」というネーミングは、ブランド戦略会議でお店のコンセプトを話し合っていく中で、「車検だけでなく、愛車のことをなんでも相談できる、『かかりつけ医』のような存在になりたい」というコンセプトを固めたころに決まりました。

「車」を「くるま」とひらがな表記にすることで、親しみやすく、身近な雰囲気が伝わります。日本では昔から、からだの健康状態を気軽に相談できるお医者さんのことを「かかりつけ医」と呼び、かかりつけ医は、患者のこれまでの病状や体質をよく知ったうえで診療してくれる安心感があります。

車も人と同じように、車輌の状態を常に把握し、必要に応じてメンテナンスすることで、安全な車輌を保ち続けます。愛車の身近な「かかりつけ」として、日頃のメンテナンスから車検、自動車保険、車の買い替えまでトータルでサポートし、何でも相談できる身近なパートナーでありたいという想いが込められています。

昔ながらのロゴマークをリニューアル

ロゴマークのデザインについては、もともとあった「明石石油グループ」のロゴマークを活かしました。「アカシ」とカタカナで書いてある部分を変更し「くるまサポート」のフォントを新たにデザインしました。伝統ある会社として、慣れ親しんだブランドアイデンティティをうまく活用していくことにしたのです。

ロゴマークは、名刺やチラシ、ホームページなど、あらゆる場面で使うものです。「明石くるまサポート」らしさをカタチにし、毎日身につける制服、目に見える看板などに統一感のあるロゴマークが使われるのは、社内でも一体感が生まれます。また、新しいお客様との関係づくりや、サービスづくりの場面でも活用されます。

もともとあるデザインとの融合

新規のブランドであっても、今回のように、もともとあるデザインとうまく融合させながらロゴマークを作るケースもあります。そのためには、まずブランドが目指すべき方向性やコンセプトづくりをしっかり行い、既存ブランドと新ブランドの関係性を整理することが、何より大切です。

既存ブランドから完全に切り離したブランドにしたほうが良いのか、既存ブランドの知名度や認知度を活かしたほうが良いのか、それぞれのメリットやデメリットを検証することで、最適な答えが見つかります。明石くるまサポートの太めで直線的なフォントは、力強く、頼もしさがありながら、どこか懐かしい愛着も感じられ、お店の目指すイメージとぴったりと合っています。

ブランディングとしてのホームページ

車検や車のメンテンスの事業は、ホームページから予約できるという機能面での利便性が必要です。しかし、それはどの車検工場でも積極的に取り組んでいることであり、それだけでは差別化になりません。明石くるまサポートのホームページでは、ブランドとして何を重視しているのか、その方向性がお客様に伝わるようにしています。

ブランドメッセージとしてまとめたページが「選ばれる理由」。明石くるまサポートの車検は何が違うのか、どのようなところを重視しているのか、そんなこだわりが伝わるように構成しています。

WEBだけでなく紙でもメッセージを伝える

ブランディングを進める上で重要なのは、WEBと紙との連動です。今やWEBが情報発信の主流となりましたが、まだまだ手渡しで説明することが効果的なケースもあります。そのため、WEBだけなく紙のデザインもしっかりと統一感をもってデザインする必要があるのです。明石くるまサポートでは『ストーリーブック』として冊子をつくり、ご来店いただいた方にブランドコンセプトを伝える機会を設けています。

ブランド価値に共感した人に来てほしい

一般的にこれまでのWEB集客は、いわゆるSEO対策が主とされてきました。安さを売りにした価格訴求であれば、確かにSEO対策だけでも有効かもしれませんが、しっかりとブランディングに取り組み、そのこだわりを伝えていくには、SEO対策だけでは不十分です。明石くるまサポートでは、SNSのFacebookも情報発信として積極的に取り入れています。

こうして検索だけに頼らない情報発信に取り組むことで、明石くるまサポートの「ブランド価値」に共感した人が来店される可能性が高まります。旧店舗のときに比べ、実際にホームページを見て、そのブランド価値に期待して予約する方が増えています。

2018年7月記載。つづく。