55634|中小企業のブランディング

ブランドとは、体験そのものである

ひとむかし前に「ブランド」というと、高級ブランドを思い浮かべる人が多かったと思います。

ブランド品というと、たいていはルイ・ヴィトン、プラダ、グッチのような海外の高級ブランド品のことを、指すようなイメージです。たしか15年ほど前、大学生でも高級ブランドの財布やバッグを持ち歩くことが普通なほど、流行していました。高級ブランド品の流行と同じように「ブランド」という言葉も、同義で流行していたのでした。

でも今は、高級ブランドももちろんブランドのひとつなのですが、それだけではありません。ブランドという概念は、あらゆるサービスや商品において、重要になってきています。しかも、物だけでなく体験として。

物から体験へ、時代は大きく流れています。同じような物はインターネットによって、これまでよりも価格競争になりやすく、購入者が価格を基準に選ぶことが、容易になりました。そのいっぽうで、「せっかく物を買うのであれば、納得いく物を」という購入動機が高まってきています。

そこで重要なのが、体験です。何かを制作する体験とかだけでなく、そのブランドから感じる「雰囲気を感じる」ことも1つの体験です。体験をつうじて購入者が判断するのは、価格で選ぶという基準ではなく、「好き」「ファン」という感覚です。

以前は、「みんなが高くて質が良いと感じるもの」が、ブランドとして認められる大きな条件でした。でも今の時代は、「自分が好きでいられるもの」という個々の感覚、ひとりひとりの感性に響くブランドが、支持されるようになってきました。

価値観が多様化してきた、とも言えます。みんなが大きな価値観を共有している時代であれば、あこがれの対象も限定されます。なぜなら、みんなが、あこがれるからです。だから、あこがれる対象は少ない数になるのです。でも、価値観が多様化すると、それぞれのあこがれが出てきます。であれば、それぞれの好きなブランドも、当然ちがうようになるのです。

「このブランド、気になる」から、体験は始まります。お店でもそうす。「あのお店、気になる」から始まりますよね。それが実際にお店を訪れて、お店の雰囲気や店員さんの対応によって、印象が変わります。イメージどおりに良いお店だった、ということもあれば、あまり気に入らなくて残念だった、ということもあるでしょう。それも体験です。

ただモノをつくる時代から、好きになってもらえるような想いを込めたモノづくりへ。その中核になるのがブランディングであり、体験だと思います。

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2016-04-11 | Posted in Blog, ブランディング論No Comments »