55634|中小企業のブランディング

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広報をブランディング視点から考える【3つの大切なポイント】

広報とブランディングは、同じことのようなイメージをもたれていますが、実際には違います。広報とブランディングの違いについて解説したいと思います。

広報はプロモーションや広告宣伝なのか

まず「広報」という漢字の意味をそのまま解釈すると「広く報じる」ですね。世の中に自分たちの会社や商品を広く報じたい、というプロモーション意識が広報の根本にあります。「広く報じたい」のは自分たちなので、広報担当者がメディアに働きかけたり、プロモーションを仕掛けたり、自ら動く必要があります。

広報と集客は厳密には異なりますが、行政ではなく企業が広報をおこなう場合は、少なからず「集客」への意識は高いといえるでしょう。そのために世間で注目を浴びそうなネタやキーワードを選んで広報を実践することになります。

広報と似たような言葉で、広告宣伝やPRがあります。広告宣伝は、メディアの枠を買ったり、お金を払って広告を掲載するのが一般的です。PR(パブリックリレーションズ)は、世間的な関心事や価値ある情報を流し、取材してもらう形式です。前者は主観的、後者は客観的ともいえ、広報はPRに近いニュアンスだといえますが、PRは双方の信頼関係を築くという意味合いもあり、広報よりも広い意味をもつと言えるでしょう。

オウンドメディアは広報の王道になりえるか

近年注目されている手法に「オウンドメディア」があります。自社のウェブサイトを広報のツールとして活用し、さまざまなコンテンツを自分たちで考え、インターネット上に公開します。オウンドメディアは、自社に関心を持ってもらうコーポレートブランディングにもつながり、非常に有効な広報ともいえます。

しかし、テレビや新聞に取り上げられて一気に商品が売れたり、ホームページのアクセス数が急増したりというインパクトは、オウンドメディアにはありません。SNSで話題になってアクセス数が伸びることはあっても、瞬間的なインパクトはまだまだマスメディアのほうが強いでしょう。そのため、社内でオウンドメディアの重要性を理解してもらうことが大変で、広報担当者のモチベーションを保ち続けるのも難しくなってきます。

オウンドメディアを何年もかけて運営できる企業は、よほどコーポレートブランディングへの理解が進んでいる企業であり、そのための運営予算もある企業に限られてきます。まして、中小企業には広報専門の担当者がいないことのほうが大半で、ほとんどの広報担当者は様々な業務を兼務しています。そういった観点から、オウンドメディアが広報の王道になる日は、まだまだ先だと感じています。

ブランディングの大枠のなかで広報を位置づける

広報は、あくまでブランディングの一部に過ぎません。ブランディングに取り組む上では、顧客との接点、ターゲットとなる潜在顧客との接点など、すべての「接点」においてイメージを統一したり、価値を伝えるデザインをマネジメントする必要があります。

その接点は、たとえばロゴマークであったり、ホームページであったり、スタッフ一人一人の接客態度であったりします。そうした接点の一つ一つでブランドらしさを築くのがブランディングで、ブランディングは地道な作業です。しかし、ひとたびブランドを築いてしまえば、頻繁な広報をしなくても商品の名前は覚えられ、顧客の記憶にブランドイメージが根付き、長期間にわたって売上に寄与します。

広報を単体で考えるのではなく、商品開発、サービス設計、プロモーションなどのブランディングをおこなっていく上での、一つの施策として広報をとらえることが重要です。大企業では縦割りで広報部署があるため、ブランディングの大枠のなかで横断的に部署をまたぐのは難しいかもしれませんが、中小企業は経営者の理解が得られれば、スピード感をもって実行できると思います。

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2018-08-01 | Posted in Blog, ブランディング論No Comments »